ブレ〜記

ブレーキに関する情報その他様々な情報をお届けします。

ブレーキ性能の肝「摩擦材」と「レジン系ブレーキライニング」

ブレーキ開発で肝となる「摩擦材」。

制動力の大小だけではなく、
マイルドな効き、ロックするほど強い効き、などなど
「ブレーキをどのように効かせるか?」(効き感)を制御することも摩擦材の大切な要素です。

摩擦材を数種類〜十数種類の材料(原料)を混ぜて攪拌し、
フェノールレジンで固めたものが、
「レジン系ブレーキライニング」といわれるものです。

レジン系ブレーキライニングは、
摩擦材の他に、ブレーキの効き方を調整する摩擦調整材、
材料(原料)をある程度凝固させる凝固材(結合材)、
各材料を繋ぎとめるフィラー材、
材料(原料)を固めた後に成型型から綺麗に脱型するための離型材など、
さまざまな材料(原料)で構成されています。

使用用途により、経験値と市場流通技術から特性を拾い出し、材料構成を日々開発しております。

レジン系ブレーキライニングの評価は
強度的にはある程度コンピューターシミュレートにより判断できますが、
制動力や効き方は試作を作る度に、静的、動的な試験を行い摩擦係数やトルクデータを測定検証しています。

試作をしないとなかなか性能を決められず、費用が嵩んでしまうのが頭の痛いところですが、これはブレーキ開発には必須です。

【上:コンピューターシミュレートの例】

近年は、各メーカから出ている摩擦関連材料が進化していて、
レジン系ブレーキライニングを構成する材料(原料)数も少なくブレーキライニングが製作できるようになっています。

ブレーキ開発は機械的な要素ばかりではなく、物理的な技術も必要になります。

次回は、「バンドブレーキ」と言われているゴム系ブレーキライニングの技術を紹介します。